新参者
東野 圭吾
講談社
ドラマ「新参者」の原作本です。
日本橋人形町という小さな下町の片隅で一人の女性が殺された。
熟年離婚をし、第二の人生を歩み始めた彼女はなぜこの町に移り住んだのか?
日本橋署に新しく配属された加賀恭一郎は、ラフな姿で町を歩き、事件に関わる小さな小さな引っ掛かりを少しずつ少しずつだが確実に解いていく。
事件に関わりがない事を調べていく度に、着々と真相へと近づいていくのだ。
「加賀恭一郎シリーズ」8作目です。
9つの短編集でもあり、1つの長編でもある作品になっていて、ものすごく読みやすいし一つ一つの短編も本当によくできています。
江戸情緒の残る日本橋人形町、作者の東野圭吾さんは何度も何度もこの町を歩いたそうです。それが、文章の中にありありと出ています。読んでいるだけで人形町を加賀と共に歩いているような感覚になる位に現実感があります。
本文にも出てくる水天宮という子宝と安産の神社に腹帯をもらいにと、無事生まれた事の挨拶にとで6回ほど行っている分、この町をリアルに感じることができました。
町の持つ暖かさや、人とのかかわりを加賀と共に味わってみませんか?
どこにでもありそうな小さな引っ掛かりを加賀独自の目線で見、聞きして解いていく様は心地よいです。
「加賀恭一郎シリーズ」においてもピカ1な作品だと思います。
どちらが彼女を殺した |
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