飾文字

どちらが彼女を殺した

東野 圭吾
講談社

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愛知県豊橋警察署に勤務する和泉康正にたった一人の肉親である妹の園子からある晩、「死」を予測させられるような電話があった。 「もう信じられるのはお兄ちゃんだけ・・・」と言い、翌日現在住んでいる東京から名古屋に帰ると言っていたのに、帰って来なかった。
連絡を取ろうとしたが、電話にも出ない。 夜勤帰りの眠い頭で康正は東京へと車を飛ばしたが・・・待っていたのは、園子の無残な死体だった。
警察の判断は「自殺」
一目見ただけでは自殺としか考えられない状態だったが、警察官として培ってきた知識と、園子を良く知ったカンからも、自殺に見せかけた他殺だと康正は断定した。 康正は、現場状況を変え、自分で犯人を見つけ復讐する事を決意し独自に捜査を始めた。


「加賀恭一郎シリーズ」3作目です。
兄・康正の復讐の為の犯人探しがメインのようですが、いえいえ、加賀刑事もじわじわと間合いをつめてやってきます。康正の復讐を止めようと現れるのです。
ごくごく単純な三角関係の末の殺人事件とタカをくくって読んでいると、足をすくわれてビックリしますよ! 最後まで読めばおのずと犯人がわかるのがミステリーと侮るなかれ、犯人が最後まで読んでも分からないんです!!本編では教えてくれないんです!! もちろんヒントはそこかしこに配置してありますけど、知らずにのほほんと読んだら大変です。編集部に問い合わせが殺到したのもうなずけます。
ノベルスから文庫化するにあたって、巻末に「推理の手引き」なるものが袋とじで載せられています。でも、本文のヒントもその分減らされているのです。


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