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囚われちゃったお姫さま

パトリシア・C. リーデ
東京創元社

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おとぎばなしで、竜に囚われたお姫さまを王子さまや勇敢な騎士が救出する話ってありますよね。 この話はまるっきり逆。お姫さまはお城での”自分”のない”お姫様”としての生活に嫌気が差し自ら竜の元へ。

いつもは救出する王子さまや騎士の困難な旅のお話ですが、このお話はとてもめずらしく、竜に囚われたお姫さまの竜との生活が描かれています! 竜は荒っぽい性格の者もいますが、知識や歴史はとても深いし、人間世界では1つ持ち出せば英雄や王になれるような 財宝や魔法の書物に囲まれての生活です。元々選んで囚われたお姫さまですが、こんな素晴らしい生活では帰る理由などありません。 救出に来た騎士達を追い払うほどです!

竜たちの不思議な風習や、魔法使い達との関わり合いも話を盛り上げて来て、中盤からクライマックスまでは一気に読み進める事が出来ます。 本自体も余計な登場人物にはあまり力を割いておらず、シンプルに描かれているのでとても読みやすいと思います。

もし、そういえば竜に連れ去られたお姫さまって騎士が救出に来るまでどんな生活をしているんだろう? と疑問が持てれば読んでみてはどうでしょうか。


この本は 魔法の森 シリーズの1冊目です。

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