精霊の守り人
上橋 菜穂子
新潮文庫
アニメ「精霊の守り人」の原作本です。
女用心棒バルサは、目の前で川に落ちた新ヨゴ皇国第二皇子チャグムを助けた。 その事により彼女の運命は大きく変わる事になる。
王妃に丁重なもてなしを受けたバルサはその夜、重大な話を打ち明けられる。
チャグムの体の中には恐ろしい魔物の卵が宿っているというのである。
この国では帝は神、その神の子に魔物が宿る様な事があってはならない。
そこで、この事実が周囲に知られる前にチャグムを暗殺しようという計画が、
実の父である帝の手によって実行されているというのだ。
全て知った上でチャグムにせめて生きていて欲しいと願う皇妃に、チャグムの逃亡を手伝って欲しいとバルサは頼まれる。
知った以上、断る事はこの場での死を意味する願いをバルサは受け、チャグムとの逃亡の旅が始まる。
そしてその旅はやがて、先住民の伝承を知り、建国神話、隠された真実の歴史に迫る事になる。
児童書だけあって読みやすいこの本は反面、児童書だけにしておくにはもったい無いおもしろさがあります。 帝を立てる事で捻じ曲げられた歴史、国を支える為には闇の部分がある事など、大人な世界の事も描かれています。 著者が文化人類学の研究者とあり、その知識をして書いたこの本は奥が深く、10巻まで出ています。 児童書としての本を完結してからの文庫化ですので、随時文庫としての巻数は増えていくでしょう。
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