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西の魔女が死んだ

梨木 香歩
新潮文庫

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映画「西の魔女が死んだ」の原作本です。


中学に入学したばかりの5月、まいは突然学校へ行く事を拒否した。 まいにとって学校は苦痛を与えるだけの場所になってしまったのだ。 単身赴任している父と仕事命の母。 このお母さんはまいから何も聞き出そうとはせず自分の母、つまりまいの祖母の所へと預ける事にした。

イギリスから日本へと嫁いできたこのおばあちゃんがまいは大好きだった。 両親には恥ずかしくて言えない「大好き」の言葉も、おばあちゃんには難なく言える。返ってくる言葉は「アイ・ノウ」

田舎の森の中の一軒家に住んでいるおばあちゃんは、畑で野菜を育て、 毎朝ニワトリ小屋から卵を取ってくる。洗濯すらも足ぶみ方式。 自然あふれるこの家でまいは静かな時間を過ごしていく。

ある日、おばあちゃんが「魔女」について話し出した。 先祖から語り伝えられてきた知恵や知識と特殊な能力を持った魔女の事を。 自分もその血を継いでいる事を。まいにも継がれている事を。 生まれつきの能力のないまいだったが、おばあちゃんにがんばる約束をして魔女修行をする事になる。 魔女修行とは言ってもおばあちゃんの出した課題は「自分の事は自分で考え、自分でこなす」

何故だか分からないけどこの本を読み終えた時、涙が止まらないどころか嗚咽をもらして号泣してしまい、しばらく放心状態でした。 おばあちゃんの「アイ・ノウ」の一言に含まれる重さに心が熱くなります。 こういうおばあちゃんになりたいナァ・・・無理ですかね。魔女修行を始めてみようかな。


ちなみに映画製作の為に全国の候補地から選ばれたロケ地・清里には実際におばあちゃんの家が建造されていて、 2009年までこの土地を管理しているキープ協会さまによって一般公開されているそうです。 詳しくは下のリンクにもあるキープ協会さまの運営しているサイト「西の魔女・おばあちゃんの家」で確認出来ます。 私は行ってみる予定です。


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外部リンク
映画『西の魔女が死んだ』オフィシャルサイト
西の魔女・おばあちゃんの家
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