飾文字

カラフル

森 絵都
文春文庫

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「おめでとうございます。抽選にあたりました!」

死んで魂だけになった僕にそう言ったのは天使だった。 大きな過ちを犯して死んだ魂は生まれ変わる輪廻のサイクルから外され消滅する。 そんな魂の中から運良く(?)当たった再挑戦のチャンス。 死んだ誰かの体を借りてその人の人生をやりなおす中で、 自分の過去を取り戻し犯した過ちの大きさを自覚した時、輪廻のサイクルに戻れるというのだ。 そして僕は小林真になった。

服毒自殺した中3の真の代わりに僕は生きる。 真の家族は利己的な父。 死ぬ直前にラブホテルに入る所を目撃してしまった浮気中の母。 気弱でチビの真をいじめてばかりの兄。

学校でも学力もいまいちでいじめられた経験がありクラスメイトとは口もきかない。 居場所はたった一つ、美術室で絵を描く事だった。 初恋の女の子も母と同じホテルに中年と入る所を目撃。 ・・・そりゃ自殺したくもなるだろう。 どん底な生活環境でも、僕は本当は真じゃないから関係ない。 周りの人達は真が自殺をはかった事で変わり始めていた。 最高1年という仮の姿で、僕はやり直せるのだろうか?

世界は色んな色でできています。
一方向から見ていたら見えない色があります。
自分を取りまく色はどんなにカラフルなんでしょう・・・。
・・・泣きました。
中学生の子ども達に読んでもらいたい本ですね。

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