飾文字

私、コスモの目になる!

橘内 美佳
主婦と生活社

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映画「三本木農業高校、馬術部」の原作本です。


かつてタカラコスモスという「女王」の名を欲しいままにしていた競技馬がいる。 初め競馬用として育てられていたサラブレットだが、頭角は現れず改めて競技用として調教される事になる。 タカラコスモス(通称・コスモ)は競技馬に必要なものを生まれながらに持っていた。 これは培われていくものではなく、天性のものである。

そんなある日、コスモの目に目ヤニが溜まるようになる。 色々、対処してはみたのだが、時は遅く失明するしかなかった・・・。 女王時代のコスモに魅せられていた青森県の三本木農業高校馬術部の顧問はコスモを引き取る事にした。 目が見えなくなってからのコスモは手がつけられない程のあばれ馬になっていた。 ひどい目ヤニと見えない事のストレス、ひたすら小屋の中をぐるぐる回っていた。

コスモのお世話担当になった湊華苗。 馬術にあこがれてこの高校に入学した馬の事をまだあまり知らない華苗。 声をかけられても振り返らない、蹴られるし噛まれる。 手間は他の馬の何倍もかかる。 それでも華苗はあきらめずにコスモの世話を焼いていた。

言葉の通じない動物としかも視覚もない馬。どれだけ信頼し合えるのか。 華苗のひたむきで一生懸命さはコスモの心を少しずつ動かして行く。 見えないコスモの代わりに目となり、導いてあげられる様になっていった。 優秀な血を残す為、コスモは出産も経験する。

コスモの出産シーンは映画の見所らしく、お産真近の馬を使い、本物の出産に役者が合わせて演技をしたらしいです。 華苗役の方も心からの本物の涙を流しているそうですよ。


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外部リンク
ウェブ映画「三本木農業高校、馬術部~盲目の馬と少女の実話~」公式サイト
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