飾文字

さまよう刃

東野 圭吾
角川グループパブリッシング

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映画「さまよう刃」の原作本です。


荒川から長峰重樹の一人娘・絵摩の死体が発見された。 花火大会の夜に未成年の少年達に拉致され、レイプされ、薬漬けにされた末の死だった。 少年グループは今までにも絵摩以外に何人もの少女を拉致してはレイプして、ビデオに撮って残していた。
ある日、長峰の留守番電話にとある密告電話が入る。その電話は犯人の名前とその自宅、鍵の場所を告げていた。 半信半疑ながらもその家に向かった長峰は絵摩が撮影されたあまりにも残虐非道なビデオを観てしまう。 そこへ偶然帰宅してしまった少年・・・あなたは、その時どうしますか?


現在の少年法によって未成年の犯罪は情状酌量がされてしまうようです。 常習的に女性を拉致暴行、そして脅迫の為のビデオ撮影してきた「彼ら」はたとえ捕まっても下手をすればそのまま釈放されてしまうかもしれないと。少年院に入ったとしても2、3年で出てくると・・・恐ろしい事実です。 犯罪を犯してしまった少年の「未来」の為の少年法ですが、被害者の気持ちはどこに持っていったらいいんでしょう? もし、絵摩がウチの子だったら・・・絶対に無いとは言い切れない現実です。想像したくなくても想像してしまいました。何ともイヤな気分としか言えません。レイプシーンは読むのが辛かったです。
話の構成や文章の上手さは、さすがは東野圭吾といったところでしょうか、長峰の悲痛さがヒシヒシと感じられます。 刑事達の迷いながら長峰を追わなければならない感情も伝わります。 割と長めの話ですが、読み進まずにはいられないスピード感があります。


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外部リンク
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