プリンセス・トヨトミ
万城目 学
文藝春秋
映画「プリンセス トヨトミ」の原作本です。
5月31日午後4時、大阪が全停止した。
水道やガス、電気といったライフラインや病院などの施設は別として、電車、学校、会社、道路、全てが・・・。
それは、一人の女王を守るために「大阪」が立ち上がったのである。
対決相手は「日本国」。
何ゆえにこんな事態になったのか?それは遡る事数日前に、会計検査院の3人の調査官が東京から大阪に訪れた事から始まった。
「鹿男あをによし」の奈良、「鴨川ホルモー」の京都に続く関西歴史ファンタジー(?)・IN・大阪であります。
今度のこの作品も、何て大きなテーマ(歴史)を持ってるんでしょう!
凡人では思いつきもしない(突拍子もない)題材を基にしてるのに、本当なんじゃないかと信じさせちゃう説得力でぐいぐい読み手を引き込んじゃうこの力に、脱帽です。
内容に触れちゃうのでココでは言えませんが、「ンな訳あるか!」と叫ばずにはいられないような内容なのに「万城目節」で語られると「・・・そうなのかも・・・」と徐々に疑い始め、舞台である大阪という土地のせいもあって最終的には信じちゃう。
会計検査院の凸凹凸の3人もそれぞれが全く違ったキャラクターで、特にミラクル鳥居の存在が大きい。大阪に住む規模の大きな秘密を抱えた人たちも皆がみんな味があるんです。
最後の最後に女の偉大さも感じました。・・・こうありたい。