パレード
吉田 修一
幻冬舎文庫
映画「パレード」の原作本です。
新婚夫婦限定の2LDKの部屋に4人の男女が住んでいる。
お気楽大学生の良介、毎日浴びるように酒を飲んでくる雑貨屋勤務・実はイラストレイター未来、
何をする事無く主のように常にリビングで恋人からの連絡を待つ琴美、面倒見の良いこの部屋のもともとの住人・直輝。
ある日泥酔した未来が一人の少年を拾ってきた。どうやら2丁目で男娼をしているサトル。
この5人はこの部屋で「いい具合」の関係を築いている。
恋愛関係などなく、友達でもない微妙な関係。「ここに合った自分」でいながら・・・・
人は誰でも誰かに合わせた自分を持っている。
この人といる時の自分。あの人に合っている時の自分。どれも自分であって自分じゃない。自分じゃないけどそれも自分。
上辺だけの関係を進め、この自分でいる事が居心地が良くて、それ以外の自分を見せる事が怖くて・・・・
そしてサトルが加わる事で少しずつ歪みが生まれてくる・・・。
特に驚くような事件は起こらない何気ない日常がさらっと進んで行きます。
でも、最終章で大どんでん返しが待ち構えています。
普通にある微妙な人間関係のひずみ・歪みに震えが来ました。
非現実的なのに妙にリアルすぎて、自分もそうなのかも?と不安になりました。
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