魔女の宅急便
角野 栄子
福音館書店
映画「魔女の宅急便」の原作本です。
みなさんご存知の通りジブリ作品として映画化がされています。
魔女の娘として生まれたキキが１３才の年にひとり立ちの為、親もとを離れ黒猫のジジと一緒に街で暮らし始める・・・という物語でした。
映画の内容は１巻の内容ですが、登場人物や出来事などは違っていて、イメージの近い人物がちらりと登場するきりだったりします。 他の巻はその後の物語ですから、魔女の宅急便の続編が読みたいと思う方には最適だと思います。 ちなみに文庫版も出版されていますが、児童書を文庫化する場合、途中の巻からそれ以降まったく出版されなくなる・・・ という事が本業界では実際に起こります。途中まで集めてしまうととてもくやしいので、一応ここでは児童書で表示させて頂いています。
魔女の宅急便
魔女のおかあさんをもつキキは １３才で魔女はひとり立ちをする というしきたりを守り、魔女として黒猫のジジとともに知らない街で暮らし始めます。 映画とは出来事も違っているので新鮮に読む事が出来ます。映画のその後がどちらかというと気になるという方も一度読んでおかれた方が 続巻が読みやすいと思います。
魔女の宅急便（その２）キキと新しい魔法
宅急便の仕事も軌道に乗り順調・・・と思いきや、 とある仕事からキキは宅急便という仕事の持つ良さのに裏に、あまり良くない面がある事に気付かされます。
もちろんタイトル通り飛ぶ事だけが取り得だったキキにも新しい魔法との出逢いが待っています。
魔女の宅急便（その３）キキともうひとりの魔女
キキの元に突然 ケケ と名乗る少女が転がり込んできます。 一緒に生活していくうちにケケはキキの 大切なものに 次々と近づいていきます。 その事に腹を立てはじめるキキ。 キキはケケの事はもちろん、自分の気持ちの小ささにも思い悩んでいきます。
魔女の宅急便（その４）キキの恋
この巻のあらすじを書いてしまうと一応ネタバレ？的になってしまうのであまり書きませんが、キキの恋心のお話です。 ふたりで過ごすものと勝手に思い込んでいた夏休みに、キキの思っている人はとある山に独りでキャンプを張ってしまいます。 機嫌をそこねるキキでしたが、時おり山から送ってくれる手紙を読む内に考え方が少しずつですが変わっていきます。
魔女の宅急便（その５）魔法のとまり木
いよいよキキが主人公のお話はこれでおしまいです。 最後のお話とはあまり感じられない、いつも通りの進み方で物語は進んでいきますが、少しづつ話は結末へと向かっていきます。 びみょーに映画の設定に近い話があり、映画の中では理由が語られることは無かったので、読めば長年の疑問が少しだけ解けます。
魔女の宅急便（その６）それぞれの旅立ち
この巻はキキの結婚後のお話。
物語の主人公はキキの双子の子ども達で、キキがコリコの街に出発した当時の年齢まで成長しています。
自分が継がなければ魔女の血が途絶えてしまう事、キキに期待されているを感じている女の子ニニと、 魔女の家に男の子として生まれ、ニニと違い将来を期待されていないと感じているトト。 二人の将来への決断を描いています。
魔女の子として生まれた事で古い仕来たり縛られ、二人とも窮屈な思いをします。 それは実は若い日のキキと同じなんですよね。 このお話まで読むと、キキのお母さんから数えると魔女の家に生まれた女性が３代揃い、 魔女としての一生と、繰り返される世代交代を感じる事が出来ます。 キキに関してはあまり深い描写はされませんが、それでもやはり読んでよかったなと感じられる一冊です。