The MANZAI
あさの あつこ
ジャイブ
映画「The MANZAI」の原作本です。
いろいろあって転校してきて１ヶ月、やっと慣れてきたかな・・・位の中２の秋、ぼく瀬田歩は「おつきあい」を申し込まれた。 相手は同じクラスの秋本貴史・・・ちょっと、いやかなりビビッたけど申し込まれたのは漫才の相方だった。
小柄で勉強もスポーツも中の中をうろうろしているぼくを何故体も大きくてサッカー部の中心の秋本は漫才に誘うのか？ でも、秋本とのかけ合いは何だか心地いい。 そして湊第三中学に文化祭の季節がやってきた。
この中学は２年は劇をすると決められている。 今年の演目は「ロミオとジュリエット」。 この「ロミジュリ」を秋本は漫才仕立てにやろうと提案。 クラス全員一致で決まった・・・まではいいけど、何でぼくがジュリエット？ となるともちろんロミオは秋本に・・・。 教育委員会の目とか気にしてる校長教頭に目をつけられながら、ウチのクラスは「ロミジュリ」ができるのか？
「漫才」を謳っているだけあって、台詞の掛け合いは絶妙なテンポです。 ただ単に「お笑い」がやりたいんじゃない「笑う事」の大切さを知ってる「笑う事」で人は救われる事を知ってる 少年達の心の傷も垣間見えます。 心の傷自体は少々ヘビーな内容ですが、気の許せる相方がいれば乗り越えられるかもしれません。