飾文字

この世でいちばん大事な「カネ」の話

西原 理恵子
理論社

line

ドラマ「崖っぷちのエリー〜この世でいちばん大事な『カネ』の話」の原作本です。


高知県の貧しい貧しい漁港に育ち、3歳の頃アル中の父は酔ってドブにはまって死に、母親の再婚相手は大学受験当日にギャンブルで借金まみれの末に自殺・・・それでも最下位なら最下位なりのやり方があると、どんどん自分を売り込んで自分の身を削って「カネ」をつかんできた西原理恵子さんのエッセイです。
幼少期は周りの皆が貧しすぎて、自分が貧しい事にも気付かない位のド貧乏を過ごして、新しい父親は事業に成功していたのに実はギャンブルで借金だらけ。「絵」というやりたい事を見つけて東京に出てきた時も、自分の位置を見据えて出版社に売り込みまくり、「描く」為にギャンブルでウン千万もつぎ込んで・・・と波乱万丈に生きてきた西原さんの生き様(生き方)には、本当に驚きました。 だからこその西原さんが語る「カネ」のありがたさ、「カネ」のみじめさ、「カネ」の恐ろしさが圧倒される力でグングン入ってきます。
無鉄砲さの中にある西原さんの信念は好みが分かれるかもしれません。共感しすぎる人もいれば、生き方が変わるような教えになる人もいれば、全く受け付けない人もいると思います。そんな、万人に愛されないところも西原さんの魅力だと思います。
今は亡き元旦那さんの鴨志田穣さんやお子さん達と共に行った、アジア各国の話も載っています。胸を打つような日々を暮らすしかないカンボジアの子ども達の事も。 内容は本当に深く考えさせられる事ばかりなのに、西原さん節で重い話をあえて軽く書かれています。でも、深く深く入ってきますよ。


原作本一覧へ >>

- こかげで読書 -
inserted by FC2 system