風が強く吹いている
三浦 しをん
新潮社
映画、「風が強く吹いている」の原作本です。
人が住んでいるとは思えない位のボロアパート「竹青荘」。 今時家賃3万円の竹青荘には近所の寛政大学生が10人住んでいる。
いや、今年10人そろったのだ。
10人そろえば・・・そう!駅伝だ!駅伝といえば箱根!!
住人の1人を除き全員知らなかった竹青荘の事実・・・ここは寛政大学陸上部の練成所だった。
素人も素人集団のこの10人が国民事業と言ってもいい正月の箱根駅伝に出るというのだ!
無謀も無謀だが、竹青荘の朝夕のまかないをし、落としちゃならない講義の朝は起こしてくれる清瀬灰二の言う事を断る事の出来ない住人達・・・。
練習を始めたところで、陸上経験者は灰二を含めて3人。 1人はタイム重視の陸上界に嫌気が差して、でも走ることは止められない超高校生だった蔵原走。 1人はいまやニコチン中毒のややメタボの通称・ニコチャン。 そして、高校時代に膝の剥離骨折をして走るのをあきらめた灰二。 でも灰二に言わせると他の人達も高校時代スポーツをやっていたりと素質は充分なのだそう。
初めはイヤイヤ始めた住人達も、何故だか抜け出せない走りの魅力に気がついて行く。
ヒマさえあれば誰かの部屋での飲み会をかかさないチームワークは抜群のこの10人が、タスキを繋ぐ事が出来るのか?
いや、その前に、駅伝にでられるのか?
ものすごく無謀な事を始めてしまったこの10人。練習はハードなはずなのに、スポ根には見えなくて、でも熱い心は伝わって来て、涙があふれてきました。 走るのが苦手な私は顔はいいがマンガ大好き超インドア・運動オンチの王子と呼ばれている彼の文句を言いながら苦しくて苦しくてたまらないけど皆の為にがいつしか 自分の為になっていた走りに胸を打たれました。
2009年秋、全国ロードショー『風が強く吹いている』オフィシャルサイト |