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ゲド戦記

アーシュラ・K. ル・グウィン
岩波書店

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映画「ゲド戦記」の原作本です。


ファンタジーの分類に入る本で、学生の時分には読まなければならない課題図書の中にファンタジーが入っているという安易な理由から手にした本ですが、 内容は現代の自分達の内面的な部分や現代社会の問題を意識した作品になっています。 そういう大切な部分を知らず知らずに読む事が出来ていたという意味でも良い作品ですし、 もちろんファンタジーとしても有名で、現在のファンタジー作家、そして作品の中にも確かに息付いている名作です。
ジブリ映画の「ゲド戦記」はゲド戦記シリーズの内容を「さいはての島へ」をメインにミックスした形になっていますので、 どの本にどんな内容なのかを少し書いて置きます。

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影との戦い


主人公ゲド(ハイタカ)が生まれてから魔法使いになるまでの話。 そしてこの舞台となる世界・アースシーについて理解するのにも向いている本です。 「ゲドってタイトルになってるけど、あんまり活躍しなかったよね・・・」と思っている方、この本をお読み下さい。 実はこの本以外ではゲドは主人公ではありません。影のレバンネン(アレン)の話の元もこの話です。

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こわれた腕輪


テナーが主人公の話。テナーとは映画内で登場したゲドを良く知り、アレンやテルーの世話を焼いていた中年の女性です。 この本の中ではまだ少女で、選ばれし神の巫女として登場します。 ゲドやテナーが「アチュアンの・・・」と映画内でも時折言っていますが、その時の話です。 ゲドは中盤以降にならないと出てきません。

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さいはての島へ


映画「ゲド戦記」の元とも言える本で、アレンとゲドが連れ立って各地で起きている不可解な現象を解明すべく、アースシーを縦横無尽に旅します。 この本ではアレンがほぼ主人公です。父殺しなどはしていませんが、まだ弱いところのある青年で、冒険を通じて成長して行きます。 テナー、テルーは登場しません。

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帰還


テルーの登場する話です。テナーは映画とほぼ同じ中年の女性として登場します。 ゲドは・・・この本以降は既に魔法の力を使い果たしており、魔法は一切使用出来なくなっています。 テルーの火傷の跡も映画より相当ひどく歌などとてもな状態なので、映画のイメージのある方は多少ショックかもしれません。 この本からゲド戦記に入るのはちょっと控えたほうが良いかもしれません。

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アースシーの風


アレンが若き王となり、治めている時代の話です。アレンも活躍しますが、何よりテルーが重要な登場人物として大活躍します。 アースシーの世界の根本の部分のお話しなので、他の本を読んでからの方がきっと楽しいでしょう。


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