飾文字

僕の行く道

新堂 冬樹 (著)
双葉社

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映画「ぼくとママの黄色い自転車」の原作本です。


小学校3年生の大志は、お母さんの顔を見た事がない。いや、アルバムの母の顔しか知らない。 大志が幼い頃にフランスにデザインの勉強に行ったきり毎週手紙ではやりとりするが、帰ってきた事がない。

手紙の母は写真で2才の大志を抱っこして写っている笑顔の母のように優しくてあたたかい。 でも忙しくて帰ってこられないだけ。 お父さんも仕事があるから普段は顔を合わす事も少ない。 でも大志は素直にかわいらしく育っている。 夏休みに入った時の手紙のやりとりで、母の好きな花はコスモスであると知った。 あの写真のバックにもコスモス畑があった。 大志はコスモスで押し花を作ってフランスへ送ろうと探し始めるが、まだ早咲きのもなかった。

そんなある時、父の本にはさまった手紙と同封された写真にあのコスモス畑が写っていた。 手紙には母が小豆島で去年撮った写真だと書かれている・・・何故、去年母は小豆島にいたのだろう? 何故日本に帰って来たなら連絡がないのだろう? たった一つの手がかり「小豆島」大志は父にも内緒で小豆島へと向かう事を決意して貯金箱を開けた。

母である私は、もし私が大志のお母さんのようになった時どうするか? そしてウチの子ども達や旦那はどうするのか?いろいろ考えて切なくなりました。 大志と1才しか離れない長女にはこんな行動力はないだろうな・・・と、 だからこそ大志の勇気、母への愛情、父への愛情、心が熱くなります。 私が一人で旅をしたのが小4でした。かなりのホームシックで泣いた夜もあります。 大志は強い子です。 そんな大志を育てたお父さんとお母さんはすごいと思います。


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