飾文字

悪人

吉田 修一
朝日新聞出版

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映画「悪人」の原作本です。


九州で珍しく雪が積もった夜、三瀬峠に若い保険外交員の石橋佳乃の死体が遺棄されていた。
犯人として浮かび上がった男が二人。 一人は佳乃が彼氏として同僚に自慢していた老舗旅館の息子で大学生の増尾圭吾。 もう一人は佳乃と出逢い系サイトで知り合ったとみえる土木作業員の清水祐一。
事件直後から増尾は行方不明で、警察は増尾を犯人として追い始めた。 一方清水は、出逢い系サイトで別の女性と知り合い、幸せな関係を築き始めたところだった。
両親すら(両親だからこそ)知らなかった娘の素顔。おもしろおかしくマスコミに叩かれている娘は、被害者なのか?
誰が「悪人」なのか? 「悪人」=「犯人」なのか?


割と長いお話ですが、やめられない止められない「迫力」がありました。 ぐいぐいと引き込まれ(まきこまれていくような)妙なリアル感があるんです。
吉田修一さんの作品は「パレード」とこの「悪人」しか読んだ事は無いのですが、じわじわとにじり寄ってくるどこにでもありそうな恐怖に襲われます。 リアルに怖い・・・。
ラストも現実にありそうで、すとんと落ちてくれないんです・・・。 リアルなもやもや感を残して終わります・・・怖い・・・


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